木尾士目『Spotted Flower』2
木尾士目『Spotted Flower』2。なるほどこれは班目(『げんしけん』)の妄想的な。手術した波戸くんみたいな人とか、成長したスージーみたいな人とか、やせた矢島さんみたいな人とか。
スージー鈴木『サザンオールスターズ 1978-1985)』
スージー鈴木『サザンオールスターズ 1978-1985)』(新潮新書)読了。
デビュー曲《勝手にシンドバッド》から活動休止までの「初期」足掛け7年を読み解いた一冊。
振り返ると自分は「初期」に関してはアルバム『KAMAKURA』しか聴いていないことに気づいた。
テレビで目にする分にはずっと売れてた気がしていたが、《チャコの海岸物語》で再ブレイクする前にしばらくセールス的に低迷してたのは意外だった。
自分は《チャコの海岸物語》のことを、つまらない歌にさえ群がるファンを揶揄しようと作った歌だと邪推してたが、思いちがいのようだ。著者はこの年の桑田圭祐を、開き直ったと解釈している。
自分の中で大きい位置を占めるテレビ番組「メリークリスマスショー」はいつだったのかと調べたら、なんと1986年(&1987)だった。サザン休んでたのか。(この録画は音楽テープに落として消去してしまった。惜しいことをした)
ギターコードのことはまるでわからない。メジャーセブンスとディミニッシュってなんだろうと思ってネットでその部分を聴いてみた。山下達郎《SPARKLE》とサザン《素顔で踊らせて》。・・・どっちもいい歌だけど、これは普通のコードと聴き比べないとピンとこないなぁ。
(なおこの文章では、著者の表記法に準拠して、アルバムを『』で、単品を《》でくくりました)
高橋源一郎『銀河鉄道の彼方に』
高橋源一郎『銀河鉄道の彼方に』読了。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の引用かと思える文章から始まり、600ページ近い厚みを経て読者をどこへ連れて行ってくれるのか、大いに期待した。
全4章のうち第1章で“本歌”をなぞりつつ相異を徐々に大きくし、2〜4章で大胆にイメージを拡げる。
いくつかのエピソードで、飛浩隆をやろうとしてるのかと思わせる展開、わくわく。
もしかしてこれは小説ではなく詩かと感じることも(だから解説が最果タヒなのか?)。
全体として、読み心地はいいのだが、まとまりなく尻切れトンボな印象。
この頁数ならもっと“銀河鉄道”を深められるはず、もっとひとつの物語として完成させられるはず、と不満が。
しかしなんだこの参考文献は。パレスティナ? 全然理解できてないのかもしれない。