高橋源一郎『銀河鉄道の彼方に』
高橋源一郎『銀河鉄道の彼方に』読了。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の引用かと思える文章から始まり、600ページ近い厚みを経て読者をどこへ連れて行ってくれるのか、大いに期待した。
全4章のうち第1章で“本歌”をなぞりつつ相異を徐々に大きくし、2〜4章で大胆にイメージを拡げる。
いくつかのエピソードで、飛浩隆をやろうとしてるのかと思わせる展開、わくわく。
もしかしてこれは小説ではなく詩かと感じることも(だから解説が最果タヒなのか?)。
全体として、読み心地はいいのだが、まとまりなく尻切れトンボな印象。
この頁数ならもっと“銀河鉄道”を深められるはず、もっとひとつの物語として完成させられるはず、と不満が。
しかしなんだこの参考文献は。パレスティナ? 全然理解できてないのかもしれない。